二日前、10月18日、吉祥寺の「アップリンク吉祥寺」で、映画「福田村事件」を観た。
以下、感想というよりも、ほとんど覚え書き。
あまりにも圧倒されて、通り一遍の感想、批評は、私にはムリ。
9月1日に公開されていた映画だ。
観てきた人の感想や、ネットで見聞きする評判を目にしていて、これは観なくてはと。
2時間を超える長尺。
映像もいいし、キャストもいい。
主役の若手俳優は、私の知らない人ばかりだが(最近の映画俳優に疎いので)、それぞれ存在感のある演技でひきつけられた。
また、私がよく知っている俳優陣が脇役で光っていた。
パギやん(趙博)、ピエール瀧、水道橋博士、柄本明といった面々だ。
まだ公開中なので、ネタバレになりそうなことは控えたいが、忘れてはいけない事件が、フィクションながら鋭く描かれていた。
映画『福田村事件』キャスト・登場人物・出演者一覧/あらすじ | ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/special/64635/
購読している東京新聞の記事を、いくつか探してみた。
覚え書きとしてリンクを載せておく。
デマと誤解で9人殺害…「福田村事件」を映画にしたい 森達也監督がクラウドファンディング:東京新聞 TOKYO Web
(2022/4/18)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/172370
関東大震災100年 負の歴史 向き合う機会に 映画「福田村事件」1日から全国上映 森監督、善良な市民の変貌描く:東京新聞 TOKYO Web
(2023/8/30)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/273560
関東大震災100年 映画「福田村事件」から考える 関連資料や被害パネル展示 流山・森の図書館:東京新聞 TOKYO Web
(2023/9/5)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/274863
監督の森達也さんについては、著作を3冊ほど読んだことがあり、関心を持っていた。
ドキュメンタリーの監督で、今回が初の劇映画のはず。
「アップリンク吉祥寺」(シネコン)の、座り心地のいい椅子で、画面の美しさに魅かれながら観ていた。
ただ、セリフの一部が聞き取りにくかったのは、私の耳が遠くなったのか。
よくできた映画だと思う。
映画館で入手したパンフレットに、監督と、映画評論家・森直人氏との対談が掲載されていて、この映画ができるまでの経緯がよくわかる。
企画は荒井晴彦、脚本は佐伯俊道と井上淳一、それに荒井晴彦。
監督 森達也
脚本 佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
企画 荒井晴彦
森達也監督は、企画に乗ったかたちで始まったという。
印象的なラストシーンなどは、監督の強い希望だったというのも興味深い。
詳しくは、この映画の公式サイトで。
https://www.fukudamura1923.jp/
これも、映画館の売店で見て、購入した本。
長いが、Amazonサイトの紹介文を転載しておく。
<四国から千葉へやってきた行商人達が朝鮮人と疑いをかけられ、正義を掲げる自警団によって幼児、妊婦を含む9名が殺害された。
映画『福田村事件』(森達也監修)が依拠した史科書籍。長きに渡るタブー事件を掘り起こした名著。【森達也監督の特別寄稿付き】
「辻野さん、ぜひ調べてください。......地元の人間には書けないから」
その時から、歴史好きの平凡な主婦の挑戦が始まった。
「アンタ、何を言い出すんだ!」と怒鳴られつつ取材と調査を進め、2013年に旧著『福田村事件』を地方出版社から上梓したものの、版元の廃業で本は絶版に。
しかし数年後、ひとりの編集者が「復刊しませんか?」と声をかけてきた。
さらに数年後、とある監督が「映画にしたいのです」と申し入れてきた──。
福田村・田中村事件についてのまとまった唯一の書籍が関東大震災100年の今年2023年、増補改訂版として満を持して刊行!
【福田村・田中村事件】
関東大震災が発生した1923年( 大正12年)9月1日以後、各地で「 不逞鮮人」 狩りが横行するなか、 9月6日、 四国の香川県からやって来て千葉県の福田村に投宿していた15名の売薬行商人の一行が朝鮮人との疑いをかけられ、地元の福田村・田中村の自警団によって、ある者は鳶口で頭を割られ、ある者は手を縛られたまま利根川に放り投げられた。虐殺された者9 名のうちには、 6歳 ・ 4歳 ・ 2 歳の幼児と妊婦も含まれていた。犯行に及んだ者たちは法廷で自分たちの正義を滔々と語り、なかには出所後に自治体の長になった者まで出て、事件は地元のタブーと化した。そしてさらに、行商人一行が香川の被差別部落出身者たちだったことが、事件の真相解明をさらに難しくした。>
最後に、この映画とつながりのある、中川五郎さんのアルバム。
国立のギャラリービブリオで、中川さんが出演していたライブ会場で購入していた。
「どうぞ裸になって下さい」 中川五郎 コスモスレコーズ
2016年7月25日、東京下北沢ラカーニャで行われた中川五郎67歳のバースデイ・ライブ&レコーディング
【収録曲】
【Disc 1】
1. 運命 運命 運命
玄侑宗久:詞/中川五郎:曲
2. 言葉
奈良少年刑務所の受刑者:詩/中川五郎:曲
3. 愛情60
金子光晴:詩/中川五郎:曲
4. しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん
高野文子:詞/中川五郎:曲
5. イマジン
ジョン・レノン:詞/曲〈中川五郎:日本語詞〉
6. どうぞ裸になって下さい
村山槐多:詩/中川五郎:曲
7. 90センチ
中川五郎:詞/曲
8. 真新しい名刺
金素雲:原作/アメリカ民謡:曲
【Disc 2】
1. Sports For Tomorrow[東京五輪招致スピーチにもとづき]
中川五郎:詞/トラディショナルブルース:曲
2. 二倍遠く離れたら
中川五郎:詞/曲
3. 消印のない手紙
桜井哲夫:詩/中川五郎:曲
4. 一台のリヤカーが立ち向かう
中川五郎:詞/曲
5. 1923年福田村の虐殺
中川五郎:詞/アメリカ民謡:曲
6. 風に吹かれ続けている
ボブ・ディラン:詞/曲〈中川五郎:日本語詞〉
さらに、森達也さんのこの本。
古本屋の店頭でみつけて(単行本)購入。
今年5月に読んだ後、手放してしまったのだが、福田村の事件に触れた部分は、覚えていない。
もう一度、図書館から借りて読んでみようかと思う。
『私たちはどこから来て、どこへ行くのか ――生粋の文系が模索するサイエンスの最先端』
森達也 (ちくま文庫)
https://amzn.to/3DeIvrT
そういえば、この小説もよかった。
『千代田区一番一号のラビリンス』 森達也 (現代書館) 2022/3/29
https://amzn.to/3VuMhUy
読書メーターに書いた感想。
https://bookmeter.com/books/19154731
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