【読】2026年6月に読んだ本(読書メーター)
6月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2871
ナイス数:141
日本史はいかに物語られてきたか (新潮選書)の感想
ネット情報で知り、面白そうだったので図書館から借りて読んだ。私には難しい内容だった。専門的すぎて半分も理解できなかったが、触発されるところも多かった。全17勝のうちで、百田尚樹、網野善彦、吉本隆明、松本清張、家永三郎、羽仁五郎あたりが面白かった。序章で紹介されている杉原志啓『おもしろい歴史物語を読もう』は読んでみたい(ネットで中古本を購入)。巻末に書名・資料一覧、人名一覧のような索引があるとよかったのに、少し残念。
読了日:06月01日 著者:河野 有理
新装版 父の詫び状 (文春文庫)の感想
近々開催される朗読会で「父の詫び状」「お辞儀」がとりあげられる。それがきっかけで読んでみた。『父の詫び状』『眠る盃』の二冊が本棚から消えて何年もたつ。読んだのか読まずに手放したのか。あらためて向田さんの技量に舌を巻いた。よくできた短編映画24編を続けて観たような…。場の転換がみごとで、映像的なのだ。個々のエッセイのタイトルも秀逸。沢木耕太郎さんが巻末解説で、向田ワールド(そのエッセイ)の魅力を余すところなく綴っている(15ページにわたる)。この文庫解説執筆中(昭和56年8月)に向田さんは亡くなったという。
読了日:06月03日 著者:向田 邦子
夢を撃つ男 (ハルキ文庫 に 4-1)の感想
船戸与一情報を検索して見つけたアンソロジー。さほど名の知られていない作家の作品も含め、7編からなる短・中編集。なんといっても船戸さんの『キラー・ストリート』が秀逸。他では、森詠『霧の街』、藤田宣永『窓ガラス越しのマドンナ』が面白く、佐伯泰英『エチェガライ通り』、斎藤純『甘い引金』も読ませる。巻頭の2編、私のまったく知らない作家の作品だが、私は感心しなかった。お世辞にも上手とは言えない(私見です)。
読了日:06月06日 著者:船戸 与一
鶏まみれの感想
新聞書評で知り図書館にリクエストして収蔵してもらった。この著者の本は初めて。読みやすい文章の好著。小6の長男が「養鶏したい」と言い出して庭先養鶏を始めたことがきっかけで、リストラされていた夫が本格的な養鶏業を始めようとする。著者は鶏を食肉販売したくなり「食鳥処理衛生管理者」資格を取得に必要な実務経験を積むため、食鳥処理場(大量の生きたブロイラーを屠り、解体、精肉する工場で3年超、過酷な仕事に携わる。この仕事の信じられないほどのキツさには驚嘆。本書のいたるところで吐露される著者の食への考察が鋭い。いい本だ。
読了日:06月11日 著者:繁延 あづさ
山と獣と肉と皮の感想
ひとつ前に読んだ同じ著者の『鶏まみれ』に感服(感動)し、その前作(出版順では前々作)のこの本を、やはり図書館から借りて読んだ。東京から長崎への移住の顛末。長崎での猟師のおじさん(セルシオに乗り、金のネックレスにサングラスのユニークな老人)の狩猟(罠猟)への同行と、その中で考えたこと。佐賀県に住む「謎のケモノ使い」の猟銃と犬による狩猟への同行。最後に皮革職人への取材(皮が革に変わる過程への関心)。これらが親しみやすい文章で綴られている。著者の考察の深さには脱帽。『ニワトリと卵と、息子の思春期』も読みたい。
読了日:06月12日 著者:繁延 あづさ
ラヴ・マイナス・ゼロの感想
別のアンソロジー『夢を撃つ男』(日本冒険作家クラブ編 ハルキ文庫)に収録されていた船戸与一「キラー・ストリート」が収録されていると知り、古本をネットで購入。北上次郎による巻末解説を読んで驚いた。この本、甲斐バンドの新譜レコードのタイトル「ラヴ・マイナス・ゼロ」を書名とし、アルバム収録9曲のタイトルを各短編のタイトルとした書き下ろしアンソロジーだった。9作品の執筆者は後から決めたという(大沢在昌、北方謙三、森詠、船戸与一、西木正明、他)。甲斐バンドのアルバム発売には間に合わず、別途出版(1985年)された。
読了日:06月14日 著者:内山 安雄
ニワトリと卵と、息子の思春期の感想
繁延あづささんの三冊目。地元図書館になかったので、自腹で購入。さして長くない本なので、一日で一気に読了。これまで読んだ二冊の狭間に出版されたもので、長男の希望で始めた自家養鶏のことと、思春期を迎えた長男との関係にスポットがあてられている(タイトルどおり)。私には経験がなく、実感がないが、思春期の男の子を持つ母親の葛藤とは、こういうものか。この一家、服部文祥・小雪夫妻の家族を彷彿とさせるが、繁延あづささんの感性というか考え方は、ユニークで、親しみが持てる。
読了日:06月16日 著者:繁延 あづさ
おもしろい歴史物語を読もう (NTT出版ライブラリー レゾナント048) (NTT出版ライブラリーレゾナント)の感想
すこし前に読んだ河野有理『日本史はいかに物語られてきたか』新潮選書(2026/5/20)で、その著者が推奨していたので興味を持ち、古本をネットで購入。<「歴史」は「物語」である>という著者(これまで全く知らなかった人)の考え方に同意する(『日本史はいかに物語られてきたか』の著者もそう考えている)。取りあげられている史書類は、私には馴染みの薄いものばかりだが、面白そう(たぶん読まないと思うけど)。この著者が熱を入れている松本清張。俄然、読んでみたいと思うようになった。
読了日:06月19日 著者:杉原 志啓
眠る盃 (講談社文庫 む 5-1)の感想
ずいぶん前に読んだ記憶がうっすらとある。名文「中野のライオン」はよく憶えていたので、たぶん再読。すこし前に読んだ『父の詫び状』(文春文庫)の巻末解説(沢木耕太郎)で、沢木さんが冒頭に挙げていた「消しゴム」(初出は1978年)も名文。1978~79年頃、さまざまな雑誌に掲載されたエッセイ(雑文と言ってもいいか)が集められている、向田さんの二冊目の「随筆集」。短い文章群なので、少しずつ味わいながら、他の本と併読した。向田さんは昭和4年生まれ。私の亡母と同年代にしてはモダンな生活をしていた女性だった。
読了日:06月22日 著者:向田 邦子
蝦夷の侍 風の市兵衛 弐(祥伝社文庫つ5-43)の感想
時代小説に詳しい知人が絶賛していたのを知り、読んでみた。シリーズ物の34冊目(書き下ろし)。時代小説の世界では人気の、多作の作家らしいが、私には未知の人。文化文政の頃、蝦夷地と江戸が舞台というのが、私の興味を惹いた。松前や西蝦夷地のアイヌコタンの様子が丁寧に描かれていて、感心した。江戸の「船手組同心」の世界、そこからはみ出して蝦夷地に渡った主人公が魅力的だし、彼の復讐譚がハッピーエンドで締めくくられたのにも、ホッとした。知人が言っていたように、この作家の文章がいい。
読了日:06月25日 著者:辻堂 魁
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